理事長挨拶
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ご挨拶

日本微量元素学会理事長
小椋 康光
日本微量元素学会の第11期の理事長を拝命いたしました小椋康光(千葉大学大学院薬学研究院 予防薬学研究室)でございます。駒井三千夫前理事長の後を受けまして、3年間担当させていただきます。現在、新型コロナウイルス感染症というまさに100年に1度の疫病が、我々に襲いかかっております。これまでも人類は叡智を結集し、幾多の疫病を克服した歴史を持っています。本会の活動の一端が、叡智の結集に寄与できることを願わざるを得ません。
日本微量元素学会は、微量金属代謝研究会、微量元素研究会、輸液微量栄養素研究会、微量栄養素研究会の4つの学術集会が結集して1990年4月1日に創設されたと伺っております。以来、本会は発展を遂げ、法人化まであと一歩のところまで到達いたしております。私自身が初めて本会の大会に参加したのは、1993年に野見山一生先生が主催された第4回の大会からと記憶いたしております。この年に、私は大学院の博士課程に進学しており、現在に至るまで、本会に育てていただいております。自分自身の歴史も振り返りつつ、先代の駒井先生に至る歴代の理事長の先生方が牽引され、発展してきた本会の歴史を尊重し、本会の発展の速度をさらに加速させるべく微力ながら力を尽くしたいと決意をいたしております。
理事長就任に際し、以下の3つのスローガンを掲げ、私自らが先頭に立ち、運営に責任を果たしたいと思っております。
第一は“国際化の推進”です。本会の強みの一つは、学会誌を有していることです。学会誌を有しているということは、単に雑誌を発行しているということに留まらず、査読や編集を担う実質的な体制が構築できているということです。この体制をさらに強化し、学会誌から“国際誌”に発展させることにより、本学会の国際的なプレゼンスを高め、国際的な連携を模索したいと思います。
第二は“多様性の確保”です。本会は、“微量元素”をキーワードに基礎、臨床、計測等の多岐にわたる学問分野から構成される学際的な学術集団です。また出身母体も産官学にわたり、多様な人材で学会が構成されていることも本会の強みの一つです。このような会員構成の多様性を維持していくことが、本学会を永続的に魅力あるものとし、他の学会との差別化につながるものと思います。
第三は“若手研究者の活性化”です。本会定款第3条(目的)には「本会は微量元素に関する生命科学研究を振興することにより、人類の健康を守りさらに増進させることを目的とする。」と謳われております。この目的を持続的に果たし、今回の活動が国際的に評価されるためには、若手研究者の活性化や育成は避けて通れません。若手研究者の研鑽の場となる学会を目指します。
多くの会員の皆様にとって、本会は第一の学会ではなく、二番手あるいは三番手以下の位置付けではないでしょうか。しかし、“微量元素”というキーワードで、多彩な人材が、若手からベテランに至るまで、とことん議論できるのが本会の魅力です。日本微量元素学会に入会すると、微量元素に関する広範で最新の情報が入手可能で、多様な人脈の構築に繋がる、といった目に見えるメリットが会員の皆様に享受いただけるように、3つのスローガンのもと、舵取りをさせていただきたいと思っております。
最後になりましたが、会員の皆様方の益々のご指導・ご協力をお願い致しまして、就任のあいさつに代えさせて頂きます。
令和2年8月1日
第11代日本微量元素学会理事長
小椋 康光